「日本三景」という言葉を知ってはいてもどこにあるのか、どのような特徴があるのか知らない人は多いかもしれません。
今回は日本三景について知っておきたい基本的な情報をまとめました。
目次
日本三景とは
通説では日本三景のいわれは江戸時代前期の書物『日本国事跡考』で紹介された「三處奇觀」(3つの珍しい眺め)です。陸奥国のくだりで「松島は丹後の天橋立・安芸の厳島と並び三處奇觀だ」という意味合いの記述があります。
つまり日本三景と言えば次の3つの場所を指します。
- 松島
- 天橋立
- 厳島
松島(宮城県)
松島(まつしま)は宮城県・松島湾上の諸島のことです。「八百八島」と言えば松島を指すように260もの島が浮かんでいます。古くから風光明媚な場所として有名であり、松尾芭蕉も『奥の細道』の序文に旅の準備をするときにまず松島の月が思い浮かんだのだと書いているほどです。
松島は遊覧船での観光が定番です。仁王像のように見える仁王島をはじめ、特徴的な見た目の島々を50分かけて巡ります。
松島周辺には国宝の瑞巌寺本堂や重要文化財の圓通院霊屋など見応えある観光スポットも数多くあります。
→松島の島の詳細は「松島観光で見るべき島おすすめ6選」をチェック
→松島の観光地のひとつ・瑞鳳殿の見どころ、料金・アクセス方法についてチェック
天橋立(京都府)
天橋立(あまのはしだて)は京都府・宮津湾上の湾口砂州です。全長約3.6kmの砂州の上に松が生い茂る珍しい地形は古くから天にかかる橋や天に昇る龍に例えられてきました。この景色のために水墨画家雪舟は歩を運び『天橋立図』(国宝)を描いています。
天橋立は徒歩はもちろん、レンタサイクル、観光船で渡ることができます。千貫松・夫婦松のような命名松、与謝野寛・晶子の歌碑などの見どころもあり、50分(目安)かかる徒歩での散策もよいでしょう。
天橋立を渡ったら高台にある傘松公園や天橋立ビューランドに移動し、股のぞきや厄除け・開運祈願の瓦投げをするのが定番の楽しみ方です。
近くには日本三文殊のひとつで「切戸の文殊堂」「九世戸の文殊堂」とも呼ばれる智恩寺があります。知恵を司る文殊菩薩を祀っており、受験や資格試験を控えた参拝者で賑わいます。
厳島/通称宮島(広島県)
厳島(いつくしま)は広島県・広島湾上の小島です。別名宮島、安芸(あき)の宮島とも呼ばれています。周囲約30kmの島の一部、厳島神社およびその周辺は世界文化遺産として登録され、世界的に有名です。
厳島は神の島として崇められてきた歴史があります。江戸時代より観光地として栄えるようになり、海に浮かぶ大鳥居、潮で満ちていく社殿の様子が人々を魅了してきました。
大鳥居・厳島神社への参拝、表参道商店街の散策が定番ですが、時間があれば宮島ロープウェーで弥山(みせん)山頂に向かいましょう。伊藤博文が「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と感嘆したという眺めを楽しむことができます。